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【参加報告】福島県建築士会女性委員会主催「女性建築士のつどい」に参加しました。
事務局からのお知らせ
記事掲載日:2025/11/25(火)
11月9日、福島県建築士会女性委員会主催「女性建築士のつどい」に参加しました。
郡山支部からは女性委員・青年委員・賛助会員あわせて16名が参加。
今回は初の試みとして、会員以外の方も参加できる講演会&茶話会形式で開催され、多くの交流が生まれる有意義な時間となりました。

講演会は、車椅子YouTuberとして活躍されている渋谷真子氏をお招きし、「自分らしく生きるために」「逆境を乗り越えて」「ユニバーサル社会への提言」といったテーマを中心にご講演いただきました。
本講演会は、ご自身の経験を包み隠さず発信し続ける渋谷氏の「困難を乗り越え、前向きに人生を歩む姿勢」、そして「障害に関するタブーにも臆せず向き合うことで、健常者と障害者の間に存在する見えない『壁』を取り払いたい」という思いを参加者と共有し、多様性の尊重と活用について深く考えることを目的として開催しました。
渋谷真子さんは、茅葺き集落で暮らし、伝統建築の屋根葺き職人を目指していました。
しかし2018年、父親の家の茅葺屋根の修理中に屋根から転落し、脊髄損傷で下半身不随に。
事故直後には、携帯で自撮りをしながら冷静に状況を記録したというエピソードをリアルに語り、参加者の胸を打ちました。
入院・リハビリ時の苦労の中で、「車いす生活のリアルな情報が少ない」と感じた渋谷さんは、YouTubeでの情報発信を始めました。
特に下半身不随になって最も苦労したのは歩くことよりも 排泄管理 であることを率直に語りました。
さらに、彼女は「今、体のどこかを直す魔法があるとしたら、歩けるようになるよりも、排泄障害を治したい」と自身も語っており、排泄障害を持つ半身不随の方々の声を多く聞いてきたことも紹介。参加者にとって衝撃的な話でした。

渋谷さんの前向きさの源は、
誰かの役に立ちたいという使命感、
自分のせいで転落事故が起きたと考える父に対して
「私が前を向いて生きることが、父の苦しみを軽くできる」
「明るく生きることが、自分のためでもあり、家族のためでもある」
という優しい思いにあると講演を通して伝わってきました。
講演全体を通じて、健常者と障害者の間にある「目に見えない気配りや遠慮」が、かえって障害者の行動を狭めているという問題提起がありました。
例えば、施設などのユニバーサルデザインへの取り組みも実際のユーザーの声が反映しきれていない、書面上の規格に沿っているだけで実際には使いにくいものも多いなど、建築に関わるものにとって深く考えさせられる内容もありました。

第二部の「茶話会」は、建築士会会員をはじめ、その関係者、建築士、建築学科の学生を対象に実施し、会員以外の方も数名参加されました。

茶話会の中心となったのは、各支部の活動報告と情報交換会です。
久しぶりに顔を合わせる皆さんとの交流に加え、もう一つのメインともいえる、見た目にも華やかで味わい豊かな“アフタヌーンティータイム”が設けられました。
女性パティシエによるスイーツがずらりと並び、ビュッフェ形式で楽しむアフタヌーンティーは、参加者からも好評でした。


支部活動報告では、郡山支部、猪苗代支部、いわき支部が近況や活動を共有しました。

例年の「つどい」と比べると、開催時間が短く、少し物足りなさを感じた方もいらしたかもしれません。
しかし、「いつも通り」ではない方法に挑戦したことで、見えてきた課題や改善点、そして新しい形にチャレンジする意義や変化の必要性を実感できるつどいとなりました。
